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出逢いーごまんちゃん


平成9年10月当時、働いていたペットショップに新しい仔犬が入って来ました。
仔犬室の隅に箱が置いて有りました。

『パピが入ったよ』って聞いていたのでわくわくしつつ覗きこんで見ると、『え?シェルティーやん』
大きいホントにパピヨン?と女の子に、確認するほどの大きな仔犬ちゃん。
車での移動が恐かったのか、箱の中で震えてた、それがごまんちゃんとの始めての出逢いでした。

ごめんなごまんちゃん。。。その時はデッカイとしか思わなかったのよ。
でも一目見てカンが働いたと云うか、何と云ったら良いか分からんけど絶対に売れないやろうな。
家の子に成るのかな?って云うような予感が有りました。

お客さんがダッコしたいと言ってくれても、イザ出す時に成ると犬舎の隅に逃げ込んで、
中々出て来ない、出たら出たで抱っこしてもらってても、愛想を振らない、ヒタスラふるふる震えてる。
可哀想に見えるらしくてお部屋に返して上げてって言われて犬舎に戻すと、
おもちゃを振り回して遊び出す。

その繰り返しで後から入って来たダックスや、コーギーはどんどんもらわれて行く。
なのに『パピちゃん』はどんどん手足が長く、可愛らしいと言うよりも、美しい?方に変って行く。
犬舎からお客さんを見下ろす目が、『別に抱っこなんかしてもらわんで良いもんね。
お家が決まれへんでも良いもん』っていう顔に見える。

常連さんが来る度に『パピさんまだ居てるの?もうこの仔大きいから無理とちゃうか?』
って言われる日々。段々やっぱり、無理かな?そろそろ新しい仔犬と取り替えられるんじゃ無いか?
その事が気に成ってしょうがない。気が付いたら家の仔に成るのかな?心の中で考える様に成っていた。

当時ぽぷらが既に8歳を過ぎていたので、時間差攻撃じゃないけどもし
『ぽぷらが死んでしまったら立ち直られへん!』
『ぽぷらが死んだからと云って、直ぐに新しいわんちゃんを向える事は出来無いだろうし、
わんちゃんの全く居ない生活なんか考えられない』

今の内に1人増やしておけば借りに、ぽぷらが居なく成ってしまってももう一人いてるから
悲しみも少しはマシなのでは?って心配はぽぷらが仔犬を、受け入れてくれるだろうか?
8歳まで一人っ子で、何重にも重ねた箱に入れて育てた箱入り娘。

職業柄わんちゃんを増やした後、お客さん達の悩んでる姿をイッパイ見てきたので
一筋縄では行かない事は分かっていた。

それでもどんどんパピさんは大きく成って行く、突然専務から『この仔返すから』って云われたらどうし様?
家に連れて帰ろうか?毎日毎日その事ばっかり考える様に成ってた。家の事は後で何とかするとして、
取り敢えず専務には『もし12月31日までにお家が決まらなかったら、連れて帰りたい』とお願いして置いた。

それでも連れて帰るよりは何所かのお家出で唯一のわんちゃんとして、大事にしてもらえる所を見つける
つもりで毎日仔犬を見に来た人には心がけてお勧めした。

ご縁が有ったのか家に来るのが運命だったのか、12月31日に成ってもまだパピさんはお店に残っていたのでした。
12月31日大晦日イヨイヨ最終のわんちゃんも帰り、閉店と云う時間に成っても子犬室には『ぱぴさん』が
チンと居りました。

正直な所もうその頃には、お客様に勧めながらも複雑でした。その1年程前に家の子したいと思った
仔犬ちゃんが送迎に出ている間にお家が決まって、もらわれて行った事が有りました。連れて帰ろうと
思っていた1週間前の出来事だったんです。

今回も結局はお家が決まって行ってしまうんだろうなって思う気持ちもあっただけに、
まだ居ててくれてホットしてしまった。友達に付き合ってもらって『パピさん』のシャンプー。
きれいにしてお正月用の鹿の子リボンを付けて仔犬ちゃん用の箱に入れて家に向いました。

ちょっとブレイク


駅で手荷物料金を払ってシッカリ箱を抱えてイザ家へ。
駅まで迎えに来てくれた妹をビックリさせ様と思っていたのに、違うビックリも付いていました。

電車で揺られて酔ったみたいで、ヨダレは無かったけど、箱中ウンチまみれ。
あっという間に車の中がぷぅーんとホノカな香りが充満してエライ目に合いました。
折角お風呂に入って来たのに。。。しょうがないなぁ。


まだ母親に何て言おうか考えて無かったのですが、
取り敢えず明日から3日間お休み返すにしても4日目以降。
それまでに何とか成るって思っていたので、
『パピさん』を玄関で箱からだしてウンチを拭き取り黙って離しました。
計画では部屋に入った『パピさん』が母親の所に走って行ってスリスリする筈だったのに。
予想を裏切ってイキナリぽぷらのご飯を、ガツガツ食べ始めたのでした。
それまでは食が細くてササミだの牛肉だの我侭し放題で毎日食べさせる事が、
物凄い大変な仔だったのに、ドライフードしかもソリッドをガツガツ食べ始めました。

信じられない光景。。。しばらくはサイエン〇グロー〇で徐々にソリッドに、
切り替え様と思っていたのでソリッドパピ−は持って来なかったのに。
3日間は犬プレミアムで我慢させようっと。

しっかりご飯を食べ尽くして、
『パピさん』は教えても無いのに母親の居る部屋にどだどだどだ・・・って突入。
遅くなったご飯の用意に一生懸命に成ってる母親はしばらくは気が着かない。
神棚にお供えを載せてる足元に『ぱぴさん』が駆け寄って抱っこって。
始めはぽぷらだと思った様で相手にしてなかった母親もやっと何か違う事に気が付いて目が下に。

何も言わないでじーと見つめて段々顔つきが、鬼の形相に変って行く。
それでも何事も無かった様にご飯の用意を続けつつチラチラ目が行くけど、
何も言わないその間が凄く長かった気がした。
漸く口を開いた母親の一言『休み明けに返して来い休みの間はしょうがない置いておくけど』・・・
やったそう成ったらもうこっちの物。



翌日『パピさん』共々初詣。みんなに可愛い可愛いと言われて、全員でうふふっ。
様子を見ながら妹と名前を考えるその度に『4日には返すから』を繰り帰す母親。
でもこの人を何とかし無いとダメって分かってるのか、せっせと母親の膝に乗って可愛いでしょ?
って言ってるかのような態度をとる『パピさん』
抱っこ出来るわんちゃんは始めてだったので母親も密かに嬉しそう。
とうとう2日の夕方『うちの家のの5万円』って言った。
2頭目のわんこさんにも関らず、用品代に五万円も掛かった事へのイヤミだったけど認めた。

やったぁー

それまで名前の候補色々考えてたのに結局『ごまんえん』って可愛いなぁ。
ごまんちゃんって響きも可愛いしじゃあごまんちゃんに決定。
母親の一言で『パピさん』はその日からごまんちゃんに成りました。

それから約1週間間ぽぷらの抵抗は限りなく続きました。
ごまんちゃんが何を触っても『わん』ご飯食べても水を飲んでも『わん』
それまで家中のものがぽぷらの為に、
有ったような物だっただけにぽぷらのショックも相当なものがあったんやろうな。
お水を飲もうとすると目の前まで行って威嚇する。
当時は本当になんてひどい事をしてしまったんやろう。
ごめんぽぷらって何度思った事か。
それでも1週間を過ぎてもまだ居続けるごまんちゃんが、
やっと何所にも行かないって事に気が点いた様で飲み食いに関しては、
邪魔をし無く成りました。


ぽぷらとごまんちゃんの事で、家族全員で1つだけ約束しました。
ぽぷらがいじめてる様に見えても、何をしても本気でヤバイと思うまでは、
絶対に介入しない事。

驚いた事にぽぷらはどんなにごまんちゃんから身体中何所といわず、
ジャレテ噛まれても絶対に手を出さなかった。噛んでし付けを入れたほうが良いのに、
見てるこっちがイライラするくらいやりたい放題なのに。
流石2頭目は曲者ってつくづく思ったのでした。
おもちゃは貸さないけどキバと手は未だに出したことが無い。


ぽぷらを立てるためにごまんちゃんに買って来た物でも全部ぽぷらに見せて、
興味が無くなってからごまんちゃんにおろしていたので、
おもちゃでなんか遊ぼうともしなかったぽぷらが、
全てのおもちおゃが鳴らなく成るまで遊んでポイ。
ごまんちゃんは鳴るおもちゃで遊んだ事が無かったので、
今でもあんまりおもちゃを鳴らすのは得意じゃありません。


3ヶ月目を向えた頃にお隣のおチビさんがわんちゃん貸してってごまんちゃんを、
連れて行って帰って来るまでの30分心配で心配で座って居られないぽぷら?
何時の間にかぽぷらにとってごまんちゃんは守らないといけない者に成ってたのね。


帰って来ても何所も異常が無いか、かなり執ようにごまんちゃんを
引っ繰り返してまで何時までも身体中調べていました。



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